SNSの「おすすめ」はなぜ異常なのか|AIが好感度より炎上を優先する理由

最近、SNSのおすすめ欄に
「なぜこんな投稿が上に出てくるのか」
と違和感を覚える人が増えています。
怒りや対立、極端な主張ばかりが目につき、落ち着いた意見や好感の持てる投稿は埋もれてしまう。
その結果、SNSを見るだけで疲れてしまう人も少なくありません。
しかし、これは社会が壊れたからではありません。
SNSのおすすめは、好感度ではなく「反応の大きさ」を基準に、AIが並べた結果です。
この記事では、なぜAIが炎上を優先するのか、そして私たちがこの仕組みとどう付き合えばいいのかを考えていきます。
SNSの「おすすめ」はどうやって決まっているのか
多くのSNSでは、投稿が時系列ではなく「おすすめ」という形で表示されます。
これはAIがユーザーの行動を見て、「この人はこれに反応しそうだ」と判断した投稿を優先的に出しているためです。
AIが見ているのは、投稿の内容が正しいか、好感が持てるか、という点ではありません。
主に見ているのは、
・いいねが押されたか
・コメントがついたか
・シェアされたか
・どれくらい長く見られたか
といった、反応の大きさです。
数字として反応が大きければ大きいほど、「価値のある投稿」と判断され、さらに多くの人のおすすめ欄に表示されていきます。
なぜ炎上しやすい投稿が有利になるのか
ここで問題になるのが、人の感情です。
人は、
・怒りを感じたとき
・納得できず反論したくなったとき
・強い違和感を覚えたとき
ほど、コメントを書いたり、誰かに見せたくなったりします。
つまり、
落ち着いた良識的な投稿よりも、感情を揺さぶる投稿のほうが反応が集まりやすい
という性質があります。
AIは善悪を判断しません。
ただ「反応が集まった」という結果だけを学習します。
その結果、怒りや対立を生みやすい投稿が「伸びやすい投稿」として扱われ、おすすめの上位に並びやすくなってしまうのです。
好感度の高い投稿が埋もれてしまう理由
「それなら、好感度が高い投稿を優先すればいいのでは」
そう思うのは、とても自然な感覚です。
しかし、好感度の高い投稿は、
・読んで納得して終わる
・わざわざ反応しない
・静かに流れていく
ことが多く、数字が伸びにくい傾向があります。
SNSの運営側にとっては、ユーザーが長く画面を見続けてくれることが重要です。
反応が多く、滞在時間が伸びる投稿は、仕組み上どうしても優遇されやすくなります。
その結果、「穏やかでまともな投稿ほど目立たない」という逆転現象が起きてしまいます。
SNSが異常に見えるのは、社会のせいではない
ここで大切なのは、
SNSのおすすめ欄=社会の姿
と考えないことです。
現実の人間関係や日常生活では、SNSほど極端な言葉ばかりが飛び交っているわけではありません。
SNSでは、反応を集めやすい情報だけが何層にも重なって表示されるため、異常なものが濃縮されて見えてしまうのです。
いわば、おすすめ欄は「人々の感情が強く反応した断片」を集めた場所であり、全体像ではありません。
SNSのおすすめに振り回されないために
この仕組みを知っておくだけでも、SNSとの付き合い方はずいぶん楽になります。
例えば、
・おすすめ欄を見すぎない
・フォローした人の投稿を中心に見る
・必要な情報は自分で検索する
といった工夫だけでも、受け取る情報の質は大きく変わります。
「おすすめに出てくるから重要」「多くの人がそう思っているはずだ」と、無意識に受け取らないことが大切です。
おかしいと感じる感覚は、むしろ健全
SNSのおすすめを見て違和感を覚えるのは、あなたの感覚が鈍っていない証拠です。
AIが何を基準に動いているのかを知ることで、情報との距離を自分で調整できるようになります。
SNSは便利な道具ですが、判断を任せきるものではありません。
仕組みを理解した上で使うことが、これからの時代には欠かせない視点になっていくでしょう。

